ありにも不思議な出来事で今まで誰にも話したことがなかったが、不思議な話が集まるこのようなサイトであれば一笑されることはないかと思い、投稿をしてみたしだいだ。

あれは2000年5月5日の長崎→羽田行きの飛行機の出来事だ。
その日はGWといこともあり、どの便も満席だった。

長崎空港は小さな空港なので、荷物を預けるにも保安検査場を通るにも、いちいち行列に並んでいた記憶がある。

国内線なので余裕だろうと高を括ってギリギリに飛行場に着いた私は搭乗時間ギリギリ満員の機内へと案内された。

私は2席あるうちの通路側の席で、窓側の席には既に女が座っていた。今となってはどんな顔だったのか、どんな服装だったのかは思い出せない。いちいち隣の乗客を覚えてなどいないだろう。

問題なく飛行機が離陸した30分後位だろうか、女がトイレに行きたいからと私に声をかけてきた。
女を通すため席を立った。すぐ戻ってくるからとシートベルトをしないまま席に戻ったのだが、一向に女は帰ってこない。

そうしてるうちにシートベルト着用のサインが点灯し、フライトアテンダントからシートベルトを着けるように促された。

シートベルト着用サインから20分もしないうちに飛行機は着陸態勢に入り、なんの問題もなく羽田空港へとたどり着いた。
結局女は戻ってこなかった。

乗客が一人座っていない事が問題にならず、そのまま着陸するなんてあるのだろうか。
飛行機で身を隠したりするなんて事が可能なのだろうか。

結局、何も分からず、少し気味が悪いこの出来事は20年以上たった今でも奇妙な体験として心の片隅に引っかかり続けている。

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