これはフランスのネットオークションに出品されたいわく付きの絵画。
その絵には薄暗い、大きな窓がある部屋にぼんやりと立つ不気味な男が描かれていた。
よく見ると大きな窓には数え切れない無数の掌のあとが…
出品者によるとこの絵は中古で買った家の倉庫に眠っていたらしい。
忘れ物だと思い、不動産業者に問い合わせても前の所有者に連絡がつかないの一点張り。
仕方ないのでゴミに出しても何故かいつも持っていかれない。
不気味だと思いつつ放置していたら、だんだんと不思議な事がおきはじめた。
チャイムが鳴ったので出てみても誰もいない。雨が降った後には家の窓の下だけに足跡が残っている。道路から窓までは土なので、行き帰りの足跡を残さないなんて不可能なのに…
泥棒かと思い、警察に相談しても周りを警戒しておく程度の対応しかない。
仕方ないのでこうやってネットオークションに出品して「勇気ある」人物に引き取ってもらおうと考えた。
ここまでなら適当な絵を書いて、背景にある事ない事書いて値段を釣りあげようという浅はかな考えに思えるが、本当の恐怖はここからだった。
こんな馬鹿な話があると、多くの人がスクリーンショットを取ったり、絵画をプリントアウトして知人に言いふらし始めた。
最初は誰も気づかなかった。でも、ある時、誰かが気づいた。
2015/3/6にアップロードされた画像と、今自分が見せられた画像、なにか雰囲気が違う…
薄暗い大きな窓がある部屋に佇む不気味な男。その後ろの窓には無数の手のひらの跡が。
あまりにも掌の跡が多すぎて窓が白く…
掌の跡が増えてる…?
辛うじて見えていた窓の外の風景は5月時点の写真では見れなくなっていた。
誰かがそれに気づいた時から、その絵画はネットオークションから姿を消した。
売れたのか取り下げたのか、それとも不思議な力で消されたのか。
今となっては元の写真を見つけることはできず、本当に掌のひらの跡が増えたのかは分からない。
残っているのはこの不気味な絵画写真だけ…