寝転びながら携帯をいじっていた時、見慣れない通知が視界に飛び込んできた。
数年前、半場強制的に友達にインストールさせられたSNSのアプリからの通知らしい。
インストールしたはいいものの、投稿するでも他の人の投稿を見るでもなく、ただただストレージの肥やしになっていた。
通知を見て、自分がこのアプリをインストールした事を思い出したくらいだ。
使わない割に通知が鬱陶しいので通知をOFFにした気がするが、今更なんの通知なのかが気になり、慣れた手つきで通知一覧画面を呼び出した。
うろ覚えなSNSの名前を探し出して内容を見てみると文字化けしていて読めなかった。
タップしてアプリを立ち上げる。最後にログインしたのは数年前だと言うのにあっさりとアプリにログインできた事に少し驚きながら、アプリの画面遷移を待った。
友達申請を承認する画面に遷移したので誰かから友達申請が飛んできたのだと理解した。
名前はまるで文字化けしたかのようなぐちゃぐちゃの文字、アイコンはふざけたコスプレのような写真だった。
どうせ冷やかしか詐欺だろうと思い、申請は拒否した。
しかし、5分後にまた通知が来た。先程と同じ写真で、やはり文字化けした名前なのですぐさま拒否を押した。
その後も拒否しては5分後位にはなぜかまた同じ相手から申請が届く。どんな設計してるんだよ、と悪態をつきながら拒否しても無駄だと悟り、放置して寝ることにした。
朝起きると、通知が999件溜まっていた。放置しているはずの友達申請が何故か繰り返し繰り返し通知されているのだ。
気持ち悪くなってアプリをアンインストールしようとしても、何故かアンインストールの選択ができない。
その間にも早く友達になれとばかりに通知は止まらない。まともに携帯が使えいなら、と根気負けしてしまい、承認ボタンを押した。
その瞬間にメッセージ届いた。
「ありがとう🤗 ずっと友達だね。今から迎えに行くよ。待ち合わせは大丈夫。だってずっと後ろにいたから」
友達はその日からいなくなってしまった。