この写真を見たことがあるだろうか?
誘拐された子供の部屋に落ちていたスマートフォンに残されていた写真だ。
子供が誘拐されたのは夜中とみられている。目撃者はいない。車の音を聞いたものもいない。この異様な姿をした犯人はどうやって忍び込んだのだろうか?
全国で似たような事件が続いている。真夜中に忽然と幼児が消えるのだ。当然目撃者はいない。
一連の事件が始まったのは約1年ほど前からだ。帰ってきた子供はいない。死体も見つかっていない。
警察が捜査を進めているが犯人につながる手がかりすら発見できていないそうだ。唯一見つかったものがこの写真だ。だが、これも事件と関係があるものか分からない。
身代金の要求など犯人からの連絡は一切ない。誘拐された子供は、裕福な家だけの子だけではない。むしろ、どう見ても身代金を払うあてがないような貧しい家庭の子供も誘拐されている。犯人の目的が不明だ。
国中が恐怖に包まれている。明日は我が身かもしれない。
早く犯人が捕まることを祈るばかりだが、今日もまた一人いなくなった。