ねえ、ぼくのこと覚えているかな?
何年もきみの前からいなくなってしまったけど、またこうしてきみに会いに来ることができたんだ。
本当は前と同じ格好で会いたかったけど、この格好でしか許してくれなかったんだ。
前とは全然違う姿だけど、気づいてくれるかな?
声は出せないし、動けないし、以前とはまるで別の格好だから難しいよね。
でも、気づいてくれなくてもいいんだ。ぼくはただ、きみに会えるだけで、それだけで十分なんだ。
きみは泣き虫だから、ぼくがいなくても大丈夫なのかずっと気にしていたんだよ。でも久しぶりにみたきみは大きくなっていて、とても元気そうだった。安心したよ。
今はきみになにかあっても、ぼくはなにもできないから、ただ見守ることしかできない。
ぼくがまだ小さかった時のように、きみの目をじっと見つめることしかできない。
ぼくはきみをずっと見守っているよ。いつでも、どこでも。
でも、でも、もし気づいてくれるなら、ぼくだと分かったなら、もう一度ぼくの名前を呼んでほしいな。
きみと一緒にいたときのように、ぼくの名前を呼んでよ。もう一度君の声を聞かせてよ。
ねえ、またおさんぽに行きたいな。