ある冬の日、私は雪景色が美しいと聞いた町に旅行に行くことにした。
町に着いた時には既に日が暮れていた。
街灯が点いていない街を歩きながら、不気味な感覚が湧き上がってきた。

進んでいくと、どこかで鳴っている鐘の音が聞こえてきた。
私はその音に誘われるように進んでいくと、見たこともない美しい教会が現れた。
教会の前には、何もないかのように真っ白な雪が積もっていた。

私は教会に入ってみたが、誰もいない。
ただ、聖歌隊の歌声が聞こえてくる。
その歌声に誘われるように、私は奥の部屋に進んでいくと、中央にある祭壇に赤い燭台が置いてあった。
そして、燭台に灯る赤い炎が、教会の中を明るく照らしていた。

しかし、突然、歌声は止まり、全てが静まり返った。
私は恐怖に陥ったが、どこからともなく赤い炎が私を導くように動き出した。
私は炎に従って、教会の外に出た。

そこには、街全体が赤い雪で覆われていた。
そして、誰もいなかった。
誰もいない街を進んでいくうちに、私は自分自身がこの街の住人になったことに気づいた。
私はこの赤い雪に覆われた街で、ずっと孤独に暮らし続けることになるのだろうと悟った。

私は恐怖に身を震わせたが、この街から抜け出す方法はなかった。
私は永遠にこの赤い雪に覆われた街に閉じ込められてしまったのだ。

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