【決行前の日記】
日付:2002年11月23日
明日の集会が迫ってきた。あのカルト宗教の異常さにはもう耐えられない。娘が彼らの思想に染まり、自らを”神”と称していけにえになることを選ぶかもしれない。俺はそれを許せない。昔は明るく、純粋な娘だったのに、彼らの洗脳によって変わり果ててしまった。
このカルトの教義は狂気そのものだ。肌を赤色に塗り、全身の体毛を剃って、黒いローブに身を包む。そして、”神”を降ろすためのいけにえを捧げるという。俺は彼らの信仰に疑問を持ち続けてきたが、娘は彼らにすっかり心酔してしまったようだ。
彼らの集会は異様そのものだった。明かりを消した暗い部屋の中で、肌を赤色に塗った信者たちが儀式を執り行うのだ。俺はその中で生贄にされる自分の娘を想像した。彼女の瞳には異様な輝きが宿り、自らを”神”と称し、いけにえになることを選ぶ覚悟を持っている。
そんな狂った光景を思い浮かべて、俺は決意を固めた。娘を救い出さなければならない。娘はまだ自分自身ではなく、カルトの洗脳によって操られている。俺は娘を救うために、刃物を手にし、集会の中に押し入る覚悟を決めた。
【決行後の日記】
日付:2002年11月24日
娘を救い出すために集会に押し入った。カルトの信者たちは激しく抵抗したが、俺は娘を見つけ出し、彼女を連れ出した。しかし、娘の様子は変わってしまっていた。彼女はカルトの洗脳を受け、自らを”神”と信じていた。俺に対しても罵りの言葉を浴びせ、混乱した表情で俺を見つめる娘の姿に、俺は絶望感を覚えた。
娘は以前とはまるで別人のように振る舞っていた。彼女の言葉や態度は冷酷だった。俺は彼女を抱きしめながら、娘の中にあるカルトの毒を抜くために必死に説得を試みたが、彼女は聞く耳を持たず、ますます狂気的に笑い始めた。俺の努力は報われなかったのか。娘を救い出すために狂気じみた罪まで犯したのに、彼女は俺を罵り続けた。
自分の娘が変わってしまったことに、俺は心身ともに打ちのめされていた。カルトの宗教が娘を狂わせ、俺との絆を断ち切ってしまったことに、怒りと悲しみが混ざり合った感情が俺を襲った。
俺は自分自身の行いを振り返り、娘を救えなかった自分を責め続けている。未曾有の絶望感に包まれながら、俺は娘を取り戻す方法を模索し続ける日々を続けるのだろう。
–彼の最後の記述。ページの端は血まみれだった。誰の血なのだろうか。