タイトル: サンタラの町
友人から聞いた、地図には載っていない町、サンタラの都市伝説。その謎めいた話に興味を抱き、私は調査を開始した。
ある日、友人たちと集まっていたとき、ひとりの友人が不思議な話を始めた。彼は地元に存在すると言われる町、サンタラの都市伝説を知っているというのだ。
サンタラは地図には載っていない町だが、一部の人々の間でその存在が噂されている。興味津々で話を聞く私たちに、友人はサンタラの詳細を語り始めた。彼によると、サンタラは山間に広がる美しい自然に囲まれた町で、穏やかな暮らしを送る人々が住んでいるという。
なぜそんなことを知っているのか? 地図にも載っていない町ではないのか?と私が聞くと、友人は待ってましたと言わんばかりに、こう答えた。
「おれはサンタラの町の出身者と友達なんだ」
後日、私たちもその友人に会えることになった。都市伝説とされているサンタラの町について詳しく知れると思い、ワクワクしたのを覚えている。
友人との待ち合わせ場所であるカフェに到着すると、友人と一緒にもう一人の男性が座っていた。彼は別のサンタラの町出身者だと言われた。
私たちは興味津々で二人にサンタラの町についての話を聞き始めた。しかし、驚くことに、二人が語るサンタラの町の姿が全く異なっていたのだ。
最初に話を始めた友人は、サンタラの町が木々に囲まれて自然豊かな町であり、野菜や果物の特産品により生計を立てている人々が多いと説明した。彼の話は美しい風景や自然の息吹を感じさせるもので、まるで絵画の中に入り込んだかのような情景が広がっていた。
しかし、もう一人の男性は全く違うサンタラの町の姿を描いた。彼によれば、サンタラは工業の町であり、独自の工芸品を営む町工場がいたるところに存在しているという。彼の話は工場の煙や機械音、町を埋め尽くす鉄や金属の光沢が目に浮かぶような描写だった。
私たちは二人の話を聞きながら驚きと戸惑いを感じた。同じサンタラの町のはずなのに、なぜ彼らの話が食い違っているのだろうか。二人はそれぞれの主張を固く信じている様子で、自分たちが正しいと主張し合った。
埒が明かないと感じだ私たちはさらに別のサンタラの町出身者を紹介してもらうことにした。
結果は同じだった。3人目は前の2人とまったく違うサンタラの町の情景を語りだした。
4人目にあっても5人目にあっても同じだ。
誰もがサンタラの町はあるというのに、その町並みはまったくわからない。もしかしてサンタラの町は本当に都市伝説の類なのだろうか…