これは友人から聞いた都市伝説だ。

鏡にまつわる禍々しい物語だった。

 

友人の口から語られた手順は次のようだった。

 

夜の闇が深まる頃、孤独な部屋に身を置き、鏡の前に佇む。

静寂が漂い、不気味な照明が薄暗く室内を照らす中、鏡に映る自己に向かって「あなたは誰?」と繰り返し問いかける。

 

そして、これが恐怖の扉を開く合図となるという。

 

友人は、その続きを囁った。

鏡の中の自己が突如として唇を開き、微かなささやきで「私はあなただよ」と答えるのだと。

 

まるで鏡の中の存在が実体を持ち、あなたとの対話を始めるかのように見えるという。

不思議な感覚に心奪われ、魅了されることでしょう。

 

しかし、友人は深刻な警告を告げた。

ある時を迎えると、鏡の中の自己が囁く言葉に警戒せよと。

 

鏡の中はこう囁くのだという。

 

「手を伸ばして。私に触れてみて」と。

 

友人の声は懸命に伝えた。

「その誘いに魅入られてはならない。鏡に手を伸ばす一瞬、恐怖が襲いかかり、あなたは鏡の中へと引きずり込まれてしまうのだ」と。

 

この都市伝説は、極めて恐ろしいものであると友人は語った。

鏡の奥深くに飲み込まれてしまえば、二度と現実の世界へ戻ることは叶わないと言い伝えられている。

鏡の向こう側で永遠に閉じ込められる運命が待ち受けるのだという。

 

この怖ろしい物語を聞いても、好奇心に囚われて実践することはおすすめしない。

恐怖の渦に飲み込まれることで、身も心も痛みに染まる運命を辿るだけだろう。

友人の忠告を心に刻み、その禁断の行為に手を染めることなく、慎重に物語を聞き終えるのが賢明である。

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