私の日課となっていた散歩。
暑さも和らぎ、夏の夜は静寂に包まれていた。
しかし、私が通り過ぎるその住宅街には、不思議な光景がいつも待ち受けていた。
古びた大邸宅がそびえ立つその場所。
私はつい視線を感じ、つい上を見上げるのだ。
2階の窓から、いつも同じ格好をした少女が私を見下ろしている。
彼女は髪を真っ赤に染め、爪は血のような真紅に塗り、口紅で口も同じように染めている。
その血走った目が私を凝視し、不気味なほどに口を動かす。
恐ろしい姿にもかかわらず、私は彼女を見上げるたびに異様な興奮を覚えるのだ。
赤く染められたカーテンが引かれ、彼女の姿が消えても、私は翌日、再び彼女を見つけるために散歩に出るのだ。
彼女の奇妙な仕草や恰好は、理性を崩壊させるような恐怖を感じさせる。
だが、窓から見る彼女には恐怖を感じることはない。
むしろ、彼女の存在が私を魅了し、何故か心を躍らせる。
明日も、明後日も、私は彼女を探し求めてしまうだろう。
この禁断の遊びに溺れ、恐怖に取り憑かれながらも、私は彼女との出会いを求める。
果たして、彼女は私をどのような運命へと誘うのだろうか?