この話は私、私の名前は佐藤美咲が体験した恐ろしい出来事です。それは、私が小学生のころ、友人の藤田さやかの誕生日パーティーに招待された日のことでした。
彼女は美しい人形を集めることが趣味で、誕生日パーティーのテーマも「人形」でした。私は彼女の独特な趣味に興味を持ち、パーティーに参加することにしました。
会場はさやかの広い邸宅で行われました。人形たちは各所に配置され、まるで生きているかのような存在感を放っていました。しかし、何かが違うと感じました。人形たちの視線が私に向けられているような気がしたのです。
パーティーが進むにつれて、私はますます不気味な感覚に包まれていきました。人形たちが微動だにせずに私を見つめる様子に、背筋が凍りつきました。
すると、突然、部屋の電気が一瞬消えました。暗闇の中で私は目を凝らし、周りを探しました。すると、一人の少女の姿が浮かび上がりました。彼女は白いドレスを着ていて、手には大きな人形を抱えていました。
私は驚きのあまり声も出せず、ただ彼女の姿を見つめることしかできませんでした。彼女はゆっくりと私に近づき、微笑みながら言いました。「お姉さん、私たちと一緒に遊びましょう。」
私の心は脅え、足は動かず、言葉も出てきませんでした。しかし、何かが私を引っ張るような感覚があり、私は彼女に従って歩き始めました。部屋から部屋へと進むうち、私の周りには人形たちが増えていきました。
彼女たちは次第に不気味な笑みを浮かべ、私に迫ってきました。私は恐怖で声も出せず、ただ逃げ出したいという一心で走り続けました。しかし、どれだけ逃げても終わりが見えず、部屋が延々と続いているような錯覚に陥りました。
どうにかしてパーティ会場に戻ると聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「美咲、助けて…」
友人の優実の声です。
「私人形になっちゃったよ。嫌だよ。怖いよ。助けて…」
彼女の声は絶望に満ちていましたが、私にはどうすることもできませんでした。いつの間にか私自身も人形たちに囲まれ、恐怖に震えながら意識を失ってしまいました。
目が覚めると、私はさやかの誕生日パーティーの会場にいました。そこには藤田さやかや他の友人たちが安堵の表情を浮かべて立っていました。彼らは私が気を失っていたことを伝えてくれました。
あれは夢だったのでしょうか。それとも本当の体験?
私の心にはまだ恐怖が残っていました。あの延々と続く部屋や人形たちの不気味な微笑みが忘れられません。私はもう二度とあの場所には戻りたくないと心に決めました。
この体験談は、私自身が実際に経験したものです。あの日以来、私は美しい人形を見るとあの恐怖を思い出してしまいます。彼女らの目や微笑みは、何か私たちに語りかけようとしているように感じられるのです…