ある夜、私の住む街で多くの人々が、突然、空から発信された不思議な信号を受信しました。テレビやラジオ、携帯電話などの電子機器が突然乱れ、奇妙な音を発し始めました。人々は困惑しましたが。数分後にはすべてが終わり、何事もなかったかのように戻りました。
数日の間、街はその不思議な出来事のことでもちきりになりましたが、次第に人々はそのことを忘れ、日常へと戻りました。
しかし、またある夜、突然、街中の電波を受信する機械から異音が流れ出したのです。それはまるで獣のうめき声のようにも聞こえるし、なにかを訴えているようにも聞こえました。二回目ということもあり、人々はそれが過ぎるのを、少し苛立ちながら待っていたのを覚えています。
1分たったのか、それとも2分か。ノイズが途切れて静寂が訪れた瞬間、私はそれをしっかりと聞きました。「20年後に待っててくれ」
あまりにもはっきり聞こえたので私は思わず悲鳴を上げてしまいました。周りの人は不思議そうに私の方を一瞥すると、何事もなかったかのように立ち去っていきました。
後日、私は友人にそのことを話しました。すると、友人は不思議そうに「1回目のノイズは覚えているけど、2回目なんてなかっただろ」と返答しました。からかっているのかと思い、追及してみましたが友人は不思議そうに首をかしげるだけ。
不信に思った私は友人、家族、同僚といろんな人に話を聞きましたが、不思議なことに皆、友人と同じように2回目のノイズなんて聞いたことがないと答えるのです。
でも私ははっきりとその出来事を覚えているし、最後に聞いた声も覚えています。
そういえば、あの出来事からそろそろ20年経つのですが、いったい何が起こるのでしょうか・・・