美術館に飾られていた古文書の暗号を解いた冒険家が、手紙を残して行方不明になった。手紙は暗号で書かれており、それを解読するとある秘密が隠されていると言われていた。
あるものは冒険家が手に入れた財宝の一部だといい、あるものは失われた古代の超文明の片鱗に触れることができるのだとうそぶいた。
ある時から、その冒険家の手紙は、ネットオークションで売り出されるようになり、多くの人々がその手紙を手に入れた。
偽物も含めて大量の”冒険家の手紙”が世の中に出回ったが、しかし、それが解読されることはなかった。
そんないわくつきの品物をあるブロガーが手に入れて、解読に挑戦することにしたらしい。私は興味をそそられ、そのブロガーを追うことにした。アマチュアではあるが、今までも数多くの暗号を解いてきていたそのブロガーは暗号解読に自信を持っていた。しかし、手紙に書かれた暗号は別格の難易度らしく、四苦八苦している様子がブログに綴られていた。
やがて、ブロガーは「暗号の解き方わかりました!」という記事を投稿した。記事には、手紙の一部が解読された内容が記載されていた。その記事を最後に更新が止まってしまった。
これは後から知ったのだが、この暗号はずっと解読されなかったわけではなく、今まで解読したすべての者が行方不明になってしまっていたのだという。ブロガーもまた行方不明になってしまったのだろうか。
果たして冒険家の手紙を解読するとなにが書かれているのか、そしてブロガーはどうなってしまったのか・・・