深夜、一人で車を運転していた時の話だ。ラジオを聴いていると、急に音が乱れた。
ノイズがひどいのか、全く知らない言語なのか、最初は何を言っているのか分からなかったが、しばらくすると英語で喋り始めた。
しかし、私は英語が分からないので、ただただ聞き流していた。いくつかの言語が切り替わってる雰囲気はわかるが、どれも理解ができない。そうしているうちに、やがて日本語で話し始めた。
「我々はここにいる。友好的な交流を望む。」
私は驚きを隠せなかった。誰が話しているのか?
「我々との交流が望める場合は、このラジオをつけたままでいてくれ。我々と友好的な交流を望む意思がある。」
その言葉に、私は不思議な気持ちになった。交信したいと言っている相手が、果たして誰なのか。そのあとに続く言葉を聞こうとカーステレオの音量を上げた瞬間、車がトンネルに入って音声が途切れた。
トンネルを抜けた時には交信は終わったのか、電波がつながったラジオからは90年代を代表するロック音楽が流れていた。
私は今でもこの体験を思い出すたびに、不気味な雰囲気に包まれてしまうのだった。あれは宇宙人からの交信だったのだろうか。